2つの方法は同じ悩みにどう違うアプローチをするのか
年齢とともに肌は弾力を失い、皮膚の下の支える組織がゆるみ、顔の下半分、あごのライン、首に軽いたるみが目立ってきます。HIFUと糸リフトは、こうした初期の変化に対する切らない選択肢として話題になります。
ただし、2つの方法のアプローチは異なります。HIFUは組織を温めることで体の修復反応を利用することを目指し、皮膚の中に何かを入れることはありません。一方、糸リフトでは、皮膚の下に入れた糸が組織を物理的に支え、わずかに上へ引き上げることを目指します。
HIFUはどのように作用するのか
HIFUは「高密度焦点式超音波」の略です。機器は皮膚の表面を傷つけずに、音波を一定の深さにあるごく小さな点に集中させ、その点に小さな熱の領域をつくります。体がこれらの領域を修復する過程で新しいコラーゲン(肌にハリを与える支えのたんぱく質)がつくられ、組織が時間とともにある程度引き締まることがあります。
この修復はゆっくり進むため、結果はすぐには現れません。多くの方では、施術の2〜6か月後により明確に評価できます。詳しくは記事「HIFU(高密度焦点式超音波):切らない引き締めはどのくらい効果があるのか?」をご覧ください。
糸リフトはどのように作用するのか
糸リフトでは、細い針やカニューレを使って、時間とともに体内で溶ける素材でできた医療用の糸を皮膚の下に入れます。小さなとげ、フック、コーンがついたコグ糸(とげ付きの糸)は、組織を支えてわずかに引き上げる効果を生むことを目指します。一方、スムース糸(突起のない糸)は主に肌の質を支える目的で使われ、引き上げ効果は期待されません。
コグ糸では効果は直後から見られます。ただし、最初の数日の腫れや突っ張り感で見た目が変わることがあり、組織がなじむにつれて引き上げ効果の一部は弱まります。詳しくは記事「糸リフト(切らないフェイスリフト用の糸):どんな人に向いているか、効果の持続期間、リスクは?」をご覧ください。
比較表
下の表は一般的な比較です。どちらがあなたに適しているかは、たるみの程度、肌の状態、期待することに応じて、診察の後に決まります。
| 特徴 | HIFU | 糸リフト |
|---|---|---|
| 作用の仕方 | 集束させた超音波で深い層を温め、コラーゲンの産生を促します | 皮膚の下に入れた溶ける糸が組織を支え、わずかに上へ引き上げます |
| 皮膚の中に何かを入れるか | いいえ。皮膚に穴はあけません | はい。針やカニューレで糸を入れ、局所麻酔を使います |
| 適している可能性がある人 | 軽いゆるみがあり、肌の弾力が良好な人。中程度のゆるみでは反応にばらつきがあります | 軽度から中等度のたるみがあり、肌の質が比較的良好な人 |
| 結果が出る時期 | 数か月かけてゆっくり。多くの方では2〜6か月後により明確に | 直後から。最終的な見た目には通常数週間が必要です |
| 効果の持続期間 | 個人差があります。一部の方では1年以上実感できることがあります | 人や糸の種類によって異なり、通常は月単位で表されます |
| 回復 | 通常は同じ日に日常生活へ。赤みや圧痛が出ることがあります | 腫れ、あざ、突っ張り感は通常、数日から2週間以内に軽くなります |
| よくある一時的な副作用 | 赤み、軽い腫れ、触れたときの圧痛、あざ | 腫れ、あざ、引っ張られる感じ、軽いへこみや左右差 |
| 頻度は低いが重要なリスク | やけどや水ぶくれ、一時的なしびれ、神経への影響による一時的な動きの左右差。まれにボリュームの減少 | 感染症、糸が触れてわかる・皮膚から出てくる、肉芽腫。まれに神経や唾液腺の損傷 |
| 根拠の状況 | 研究では測定可能な、しかし一般に穏やかな改善が示されています。結果は機器によって異なる場合があります | 穏やかで一時的な効果。長期的な結果を調べた質の高い研究は少数です |
回復と日常生活
HIFUの後、ほとんどの方は同じ日に日常生活に戻ります。軽い赤みや腫れは通常、数時間から数日で治まります。触れたときの圧痛や、かむときの軽いうずくような痛みは数日、ときには数週間続くことがあります。
糸リフトでは、最初の数日は腫れ、あざ、突っ張り感が予想されます。口を大きく開けたときやかむときに、引っ張られる感じがすることがあります。医師から、しばらくの間は口を大きく開けない、顔をマッサージしない、激しい運動を避けるよう勧められることがあります。大切な予定がある場合は、計画の際にそれを考慮してください。
軽いたるみであれば、手術以外の方法でも穏やかな改善が得られることがあります。しかし、たるみが大きい場合に同じ結果を約束するのは正しくありません。ときには、手術という選択肢についても話し合うことが最も誠実なアドバイスです。
Dr. Hamza GemiciDoktorClub メディカルディレクター · 美容医療に携わる医師
リスクと注意すべき点
どちらの方法も医療行為であり、顔の解剖、特に神経が通っている部位を熟知した医師の評価と責任のもとで行われる必要があります。HIFUでは、深さやエネルギーが適切でないと、やけどや神経への影響につながることがあります。技術的な仕様が不明確な機器や家庭用として販売されている機器は、この点で特にリスクがあります。糸リフトでは、糸を誤った深さに入れると、へこみ、糸が見える、あるいはより深刻な損傷の原因となることがあります。
次のような兆候に気づいたら、すぐに医師を受診してください
- 水ぶくれ、開いた傷、かさぶた
- 笑う、話す、目を閉じるときに新たに現れた左右差や動かしにくさ
- 日がたつにつれて強くなる痛み、赤み、熱感、膿のような分泌物、発熱
- 治まらない、または広がっていくしびれ
- 糸が皮膚の表面から見える、ちくちく刺さる、または外に出てくる
- 目の痛みや見え方の変化
- 息切れ、または顔や舌の急速に強くなる腫れ:待たずに112(トルコの救急番号。日本では119)に電話してください
施術した医師に連絡がつかない場合は、最寄りの救急外来を受診し、どの施術を受けたかを伝えてください。糸を自分で引っ張ったり切ったりしないでください。また、その部位を押して直そうとしないでください。
根拠は何を示しているか、何を期待すべきか
HIFUに関するシステマティックレビューでは、顔と首に測定可能な改善が報告されています。ただし、変化の大きさは一般に穏やかで、はっきりした結果が得られない方もいます。ほとんどの研究は特定の機器で行われているため、その結果をすべての機器に当てはめることはできません。
糸リフトでも、効果は穏やかで一時的です。使われる糸の種類や手技は多岐にわたり、長期的な結果を調べた質の高い研究は少数です。そのため、効果がどのくらい続くかについて確約するべきではありません。
- どちらも余分な皮膚を取り除くものではありません。
- どちらも失われたボリュームを補うものではありません。ボリュームの減少には別の方法について話し合うことができます。
- どちらの効果も時間とともに弱まり、加齢の過程は続きます。
- 誰にでも同じ反応が得られるわけではなく、結果には大きな個人差があります。
同様の目的で使われる別の機器のグループについては、記事「ラジオ波(高周波)による肌の引き締めとラジオ波マイクロニードル:何が期待できるか?」をご覧ください。
外科手術について話し合うべきなのはどんなときか
たるみがはっきりしている場合、余分な皮膚がある場合、あごのラインや首にはっきりしたゆるみがある、または首にバンド状のすじができている場合、あるいは大幅な体重減少の後に皮膚がゆるんでいる場合には、HIFUや糸リフトに期待される結果が得られないことが多くあります。このような場合は、外科的なフェイスリフトやネックリフトの選択肢について形成外科医と話し合うほうが現実的なことがあります。
外科手術には手術、麻酔、より長い回復期間が必要です。しかし、はっきりしたたるみに対しては、より目に見えて長く続く結果が得られることがあります。手術が適している場合、切らない方法を何度も繰り返しても手術の代わりにはなりません。
どのように決めるのか
まず、たるみの程度、肌の厚さと弾力、ボリュームの減少があるかどうか、これまでに受けた施術が評価されます。以前にフィラー、糸、そのほかの施術を受けたことがある場合は、必ず伝えてください。この情報は施術の時期やリスクに影響することがあります。
何も施術を受けず、日常的な紫外線対策とスキンケアを続けることも、正当な選択肢の一つです。初めて施術を検討している場合は記事「初めて美容医療を受ける人のためのガイド」が、誰がどこで施術を行うかを評価するには記事「美容医療のクリニックと医師を選ぶための10項目の安全チェックリスト」が参考になります。
このページは一般的な情報提供を目的としています。あなたに適した方法は、診察と医師の評価によってのみ判断できます。
医師に聞きたい質問
- 私のたるみの程度には、HIFU、糸リフト、外科の相談のどれがより適していますか?
- 現実的に、どのくらいの変化をどのくらいの期間期待できますか?
- HIFUを行う場合、どの機器を使いますか?その機器で行われた信頼できる研究はありますか?
- 糸リフトを行う場合、どの種類・素材の糸を使いますか?製品の情報を書面でいただけますか?
- この施術の後の回復はどのようになりますか?何をどのくらいの期間避けるべきですか?
- 以前に受けたフィラー、糸、そのほかの施術は、この計画にどう影響しますか?
- 結果に満足できない場合や左右差が出た場合、どのような対応ができますか?
- 問題が起きた場合、夜間や週末にはどのように連絡を取ればよいですか?
よくある質問
HIFUと糸リフトでは、どちらがより効果的ですか?
すべての人に当てはまる答えはありません。2つの方法は異なる仕組みで作用し、どちらも変化はほとんどの場合穏やかです。どちらがあなたにより適しているかは、たるみの程度、肌の状態、期待することに応じて診察で評価されます。
回復期間が短いのはどちらですか?
HIFUの後、ほとんどの方は同じ日に日常生活に戻ります。糸リフトでは、腫れ、あざ、突っ張り感は通常、数日から2週間以内に軽くなります。期間には個人差があります。
どちらも切らないフェイスリフトですか?
どちらも切らない方法ですが、外科的なフェイスリフトの代わりにはなりません。余分な皮膚を取り除くことはなく、はっきりしたたるみに対しては結果が不十分なことが多くあります。
2つの方法を組み合わせることはできますか?
人によっては、異なる方法を同じ計画の一部として話し合うことがあります。ただし、組み合わせるかどうかやその時期は人によって異なり、診察の後に医師が判断します。
効果はどのくらい続きますか?
どちらの効果も一時的です。HIFUでは一部の方で1年以上実感できることがあります。糸リフトでは期間は通常月単位で表され、長期的なデータは限られています。正確な期間を約束するべきではありません。
たるみがはっきりしている場合、これらの方法は効果がありますか?
はっきりしたたるみや余分な皮膚がある場合、どちらの方法も得られる効果は通常限られています。この場合は、外科的な選択肢について形成外科医と話し合うほうが現実的なことがあります。
出典
- Many ways to firm sagging skin — American Academy of Dermatology (AAD)
- Systematic review and meta-analysis of safety and efficacy of high-intensity focused ultrasound (HIFU) for face and neck rejuvenation (Ayatollahi A et al.). PMID: 32026164 — Lasers in Medical Science, 2020
- A Systematic Review of the Efficacy of Microfocused Ultrasound for Facial Skin Tightening (Contini M et al.). PMID: 36674277 — International Journal of Environmental Research and Public Health, 2023
- Update on Absorbable Facial Thread Lifts (Riopelle AM, Geisler AN, Eber A, Dover JS). Dermatol Surg 51(5):509–514 — Dermatologic Surgery, 2025
- Safety Profile of Thread Lifts on the Face and Neck: An Evidence-Based Systematic Review (Pham CT et al.). Dermatol Surg 47(11):1460–1465 — Dermatologic Surgery, 2021
- Before you have a cosmetic procedure — NHS
美容医療専門家委員会
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