濃い色の肌では、なぜレーザーとピーリングをより慎重に計画するのですか
皮膚に色を与えている物質はメラニンです。レーザーやIPLの機器の多くは、光のエネルギーを毛根やしみなどの標的に向けます。しかし、皮膚の上層にあるメラニンも、この光の一部を吸収します。皮膚のメラニンが多いほど、標的に届くべきエネルギーのより多くが、表面で熱に変わります。これが、やけどと色の変化のリスクを高めます。
2つ目の理由は、濃い色の肌では色素細胞が刺激に対してより強く反応することです。科学的なレビューは、濃い色の肌の特徴として、上層のメラニンが多いこと、影響を受けやすい色素細胞、より反応性の高い傷の治り方を挙げています。そのため、光、熱、酸による刺激は、色白の肌では跡を残さずにおさまるような場合でも、濃い色の肌では何か月も続くしみになることがあります。
これは、濃い色の肌の人に施術ができないという意味ではありません。初期の世代のレーザーは濃い色の肌には通常勧められていませんでしたが、現在では、適切な技術と設定によって、こうした肌のタイプにも施術が可能であると報告されています。違いは、誤りが許される幅がより狭いことです。
私の肌のタイプは?フィッツパトリック分類とその限界
医師は肌のタイプを評価する際に、フィッツパトリック分類をよく用います。この分類は、日光でどのくらい赤くなりやすいか、どのくらい日焼けするかによって、皮膚をタイプIからタイプVIまでの6つのグループに分けます。この記事で濃い色の肌というときは、主にタイプIV、V、VIを指しています。ただし、日光でまず軽く赤くなり、その後はっきり日焼けするタイプIIIの肌も、色素沈着の面では色白の肌より敏感です。
トルコでは中間色の肌色が多く、こうした人の多くは自分を肌の色が濃いとは考えていません。しかし、冬は色白に見え、夏は簡単に日焼けする肌は、レーザーとピーリングの面では注意が必要なグループに入ります。ニキビ、虫刺され、小さな傷の後に、長く消えない濃い跡が残る場合、あなたの肌は色素沈着を残しやすいということであり、それを担当医に伝えることが大切です。
当サイトのツールのセクションにある肌タイプのテストは、あなたの肌が日光にどう反応するかについて、おおよその目安になります。結果は診断ではありません。フィッツパトリック分類は日光への反応を測るもので、肌の色や出自を正確に表すものではなく、濃い色の肌では区別する力がより弱くなります。施術の判断のためには、診察で医師に肌のタイプを評価してもらう必要があります。
どのような色の変化が起こりえますか
最も多い問題は炎症後色素沈着、つまり皮膚の刺激や損傷の後に生じる、皮膚が濃くなる変化です。濃い色の肌では、より多く、よりはっきりとみられます。多くの場合、時間とともに薄くなります。ただし、期間は人によって異なり、濃い色の肌ではより長くなることがあり、日光に当たる皮膚では長引きます。
頻度がより低い問題は色素脱失、つまり皮膚が周りより薄い色のまま残ることです。色素細胞が傷ついたことを示唆し、濃い色の肌では周りの皮膚との対比のためにより目立ち、改善もより遅いことがあります。場合によっては長く続いたり、元に戻らなかったりすることがあります。深いやけどの後には傷跡が残り、傷跡ができやすい人では盛り上がった傷跡(ケロイド)ができることもあります。
これらの問題の症状、自宅ですべきこと、治療の選択肢は、「レーザー・IPL後のやけどと色の変化:色素沈着、色素脱失、傷跡――予防とすべきこと」と「ケミカルピーリング後のトラブル:長引く赤み、しみ、感染、傷跡――どうすべきか?」の記事で詳しく説明しています。この記事では、リスクを最初からどう減らせるかに焦点を当てます。
レーザーでは、なぜ波長と技術の選択が重要なのですか
レーザーはそれぞれ特定の波長の光を出し、波長によって、光がメラニンにどのくらい吸収されるかが決まります。一般に、波長が長いほどメラニンに吸収されにくく、皮膚のより深くまで届きます。そのおかげで、皮膚の表面の色素が熱せられにくくなります。濃い色の肌のレーザー脱毛について、科学論文で最もよく挙げられる選択肢は、ロングパルスNd:YAGレーザーと、長いパルス幅で使うダイオードレーザーです。
| 技術 | 中間色から濃い色の肌での一般的な位置づけ |
|---|---|
| ロングパルスNd:YAGレーザー(1064 nm) | メラニンに比較的吸収されにくい。濃い色の肌の脱毛で最もよく勧められる選択肢の一つ。それでも色素沈着が起こることはある。 |
| ダイオードレーザー(約810 nm) | 長いパルス幅、控えめなエネルギー、効果的な冷却により、濃い色の肌でも使用できると報告されている。 |
| アレキサンドライトレーザー(755 nm) | メラニンにより多く吸収される。主に色白の肌で選ばれ、濃い色の肌ではリスクがより高い。 |
| IPL(インテンス・パルス・ライト) | 単一の波長ではなく、広い帯域の光を使う。濃い色の肌や日焼けした肌では、やけどと色素沈着のリスクがあるため特別な注意が必要。適しているかどうかは医師が判断する。 |
| 非アブレイティブ・フラクショナルレーザー | メラニンではなく組織の中の水を標的にする。濃い色の肌ではアブレイティブ型より安全と考えられているが、色素沈着のリスクが完全になくなるわけではない。 |
| アブレイティブ(皮膚を削る)レーザー | 回復期間がより長く、濃い色の肌では色の変化のリスクがより高い。非常に慎重な患者の選択が必要。 |
| ラジオ波とラジオ波マイクロニードル | 光ではなく電気エネルギーを使い、色素に左右されずに作用する。そのため、一部の濃い色の肌で選択肢になることがある。 |
波長だけでは十分ではありません。論文では、濃い色の肌に対して、より低いエネルギー、より長いパルス幅、皮膚の表面を守る効果的な冷却、そして結果をより多くの回数に分けて得ることが勧められています。これは、色白の人に比べて進み方は遅いものの、より安全な計画ということです。短期間での結果を約束し、肌のタイプを尋ねずに誰にでも同じ設定を使うやり方は、警告サインです。
機器のブランドや広告での名称は、あなたの肌に合っているかどうかを示すものではありません。尋ねるべきなのは、その機器がどの技術で、どの波長で作動するのか、あなたの肌のタイプに使われているのか、施術者がその肌のタイプについてどの程度の経験をもっているのかです。施術の全般的な説明は、「レーザー脱毛:仕組み、向いている人、注意すべきこと」と「フラクショナルレーザー:ニキビ跡・しわ・肌のきめにどの程度適しているのか?」の記事をご覧ください。
日焼けした肌は、なぜ別のリスクになるのですか
日焼けは、皮膚が日光に対してつくる追加のメラニンです。つまり、日焼けした肌は、施術の面では一時的により濃い肌のタイプのようにふるまい、色素細胞もすでに刺激された状態にあります。色白の人でも、日焼けはやけどと色素沈着のリスクを高めます。中間色の肌では、この影響がさらにはっきりします。
そのため、日焼けした肌への光による施術は、通常延期されます。日焼けマシンやセルフタンニングローションも、同じように扱われます。どのくらい待つ必要があるかは、機器、部位、あなたの肌によって異なり、この期間は、あなたの肌を診た医師が決めます。夏の間や、日差しの強い場所での休暇の直前・直後に施術を予定することは、リスクを高めるよくある誤りです。
肌の色が中間色や濃い色であることは、レーザーやピーリングの妨げにはなりません。ただし、誤りが許される幅はより狭くなります。機器のブランドよりも、その技術があなたの肌のタイプに合っているかどうか、肌が日焼けしているかどうか、そして紫外線対策について話し合う必要があります。
Dr. Hamza GemiciDoktorclub メディカルディレクター · 美容医療に携わる医師
テスト照射とは?何の役に立つのですか
テスト照射とは、本番の施術の前に、小さく、多くの場合は目立ちにくい範囲に、予定している設定で数回照射し、皮膚の反応を観察することです。やけどの症状は数時間から数日のうちに、色の変化は数週間のうちに現れることがあるため、評価はすぐには行いません。どのくらい待つかは、担当医が決めます。
テスト照射は、問題のない結果を保証するものではありません。テスト照射の結果がよければ、リスクが低いことを示唆しますが、なくなったことを示すわけではありません。皮膚は部位によって異なる反応を示すことがあり、その後の施術では、日光、薬、設定の変更などの要因が加わることがあるからです。肌の色が濃い人、色素沈着の経験がある人、初めて光による施術を受ける人は、テスト照射を行うかどうかを尋ねるとよいでしょう。
濃い色の肌では、ケミカルピーリングをどのように選びますか
ケミカルピーリングでは、リスクは、酸が皮膚のどのくらい深くまで達するかと密接に関係しています。濃い色の肌では、通常、皮膚の最も上の層だけに作用する浅いピーリングが選ばれます。中等度のピーリング、特に深いピーリングでは、色の変化と傷跡のリスクがはっきり高まります。そのため、濃い色の肌では非常に慎重に選びます。
中間色から濃い色の肌の患者で浅いピーリングを検討した、単一施設の後ろ向き研究では、望ましくない作用の頻度は低く、最も多かったのはかさぶた、炎症後色素沈着、赤みで、これらは数か月のうちに改善しました。同じ研究では、望ましくない作用の可能性は、最も濃い肌のタイプでより高く、冬の時期にはより低いという結果でした。これらのデータは、経験のある施術者のもとでは、浅いピーリングが濃い色の肌にも行えることを示唆しています。ただし、一つの施設の結果をあらゆる環境に一般化することはできません。
- 準備:医師は、施術前の数週間、肌を準備するためのケアの計画と紫外線対策を勧めることがあります。どの製品を使うかは医師が決めます。
- タイミング:日差しの強い時期と、日差しの強い場所での休暇の時期は、リスクを高めます。
- 肌の状態:刺激を受けている、皮がむけている、活動性の口唇ヘルペスや感染がある皮膚には、ピーリングは行いません。
- 使用中の製品:自宅で使っている酸を含む製品、角質を取る製品、処方されたクリームを、施術の前に必ず伝えてください。
- 家庭用の高濃度の酸:インターネットで購入した強いピーリング液は、濃い色の肌に長く続くしみをつくることがあります。自己判断で使わないでください。
ピーリングの種類と回復の経過は、「ケミカルピーリング:どんな施術か、どんな人に向いているか、回復の経過は?」の記事で説明しています。
紫外線対策は、なぜこれほど決め手になるのですか
施術を受けた皮膚は、しばらくの間、日光に対してより敏感で、色素細胞が刺激されやすくなっています。そのため、紫外線対策は、濃い色の肌で色素沈着を防ぐための基本的な一歩であり、施術前の数週間から始めて、施術後も続けるべきです。日陰を選ぶこと、つばの広い帽子と体を覆う服を使うことは、日焼け止めと同じくらい大切です。
濃い色の肌では、もう一つ知っておくべき点があります。紫外線だけでなく、可視光も、肌の色が濃い人では色素沈着の原因になることがあります。広域スペクトルの日焼け止めは紫外線を防ぎますが、可視光に対しては十分な保護にならないことがあります。酸化鉄を含む色つきの日焼け止めは、可視光に対しても保護になるため、しみができやすい人に役立つことがあります。あなたに合った製品は、担当医に尋ねることができます。
肌の色が濃い人には日焼け止めは必要ないという考えは、よくある誤解です。メラニンはある程度の自然な保護になりますが、色素沈着や施術後の色の変化を防ぐには足りません。すでにあるしみの原因と治療については、「しみと肝斑:原因、医師を受診すべきとき、どのような治療があるか」の記事をご覧ください。
施術の前に、必ず担当医に伝えること
- ニキビ、傷、または以前の施術の後に、長く消えないしみが残ったことがある場合
- 盛り上がった傷跡(ケロイド)ができやすい、または家族にそのような人がいる場合
- 肝斑や、そのほかの色素の悩みがある場合
- ここ数週間に日光浴をした、日焼けマシンを使った、またはセルフタンニング製品を使った場合
- 定期的に使っているすべての薬、ハーブ製品、スキンケア製品
- 口唇ヘルペスの既往がある場合
- 妊娠または授乳の状況
施術の後、いつ医師に連絡すべきですか
次のような場合は、その日のうちに施術した医師に連絡してください
- 水ぶくれ、開いた傷、じくじくした部分
- 灰白色になった部分、または機器の照射口の形をした跡
- 日がたつにつれておさまるどころか強くなる痛み、赤み、腫れ。分泌物または発熱
- 回復の途中で現れる、濃い、または薄い色の部分
- 目の痛み、かすみ目、視野の中の斑点があれば、待たずに112(トルコの救急番号。日本では119)に電話してください
色の変化に気づいたときは、自己判断でしみを薄くするクリーム、酸を含む製品、新たな施術を試さないでください。濃い色の肌では、刺激になることはどれも、しみを濃くすることがあります。早めに医師の評価を受けることは、経過をよりよく管理する助けになります。
リスクを減らすためにできることは?
- 施術は、あなたの肌のタイプを診察して評価し、濃い色の肌について経験のある医師に計画してもらうよう求めてください。
- 機器のブランドではなく、その技術と、あなたの肌のタイプに合っているかどうかを尋ねてください。
- テスト照射や、小さな範囲での試験的な施術を行うかどうかを尋ねてください。
- 施術の前後は日光浴をせず、日焼けマシンも使わないでください。紫外線対策を怠らないでください。
- 早く結果を出すためにエネルギーを上げることや、施術の間隔を詰めることを求めないでください。
- 施術中に、予想と違う鋭い痛みや灼熱感を感じたら、すぐに伝えてください。
- 施術を受ける場所を評価する際には、「美容医療のクリニックと医師を選ぶための10項目の安全チェックリスト」の記事を参考にしてください。
根拠の限界:濃い色の肌へのレーザーと光治療に関する論文の大部分は、東アジア系の患者で行われたものです。非常に濃い色の肌(タイプV~VI)と、トルコに多い中間色の肌については、データがより限られています。研究の多くは小規模で、後ろ向きです。そのため、あなた個人のリスクの割合を示すことはできません。このページは一般的な情報提供を目的としており、診察の代わりにはなりません。
この記事に関連するツール肌タイプ(フィッツパトリック)テスト
結果を見るには、すべての質問に答えてください。
医師に聞きたい質問
- 私の肌のタイプは何ですか?この施術は、私の肌のタイプでどのくらいの頻度でしみを残しますか?
- 使用する機器は、どの技術で、どの波長で作動しますか?私の肌のタイプに適していますか?
- 私のような中間色や濃い色の肌の患者に、この施術をどのくらいの頻度で行っていますか?
- 本番の施術の前にテスト照射を行いますか?結果はどのくらいたってから評価しますか?
- 最後に日光を浴びてから、どのくらい待つ必要がありますか?
- 施術の前に、肌を準備するためのケアの計画は必要ですか?
- どの日焼け止めを、いつから使えばよいですか?
- 色素沈着や色素脱失が起きた場合、経過観察と治療はどのように計画しますか?
よくある質問
肌の色が濃いめですが、レーザー脱毛を受けられますか?
はい。適切な技術と設定によって、中間色や濃い色の肌にもレーザー脱毛を行うことができます。ただし、やけどと色素沈着のリスクは色白の肌より高くなります。そのため、肌のタイプに合った波長、控えめなエネルギー、効果的な冷却、そしてこうした肌のタイプについて経験のある施術者が重要です。
濃い色の肌には、どのレーザーがより安全ですか?
科学論文では、濃い色の肌の脱毛について、ロングパルスNd:YAGレーザーと、長いパルス幅で使うダイオードレーザーが最もよく挙げられています。これらの波長はメラニンに比較的吸収されにくいからです。どの技術があなたに適しているかは、あなたの肌と毛の性質を診察した医師が判断します。
肌の色が濃い人にIPLは行われますか?
IPLは広い帯域の光を使うため、濃い色の肌や日焼けした肌では、やけどと色素沈着のリスクがより高く、特別な注意が必要です。肌のタイプによっては適さないことがあります。判断は、あなたの肌のタイプを評価した医師が行うべきです。
日焼けした肌で、レーザーやピーリングを受けられますか?
日焼けした肌では、やけどと色素沈着のリスクがはっきり高まります。そのため、施術は通常延期されます。どのくらい待つ必要があるかは、機器とあなたの肌によって異なり、医師が決めます。
テスト照射をしていれば、しみはできませんか?
テスト照射はリスクを減らす助けになる対策ですが、問題のない結果を保証するものではありません。皮膚は部位によって異なる反応を示すことがあり、その後の施術では、日光や薬などの要因が加わることがあります。
肌の色が濃いのですが、ケミカルピーリングは私に適していますか?
濃い色の肌にもピーリングを行うことはできます。通常は浅いピーリングが選ばれ、肌の準備と紫外線対策に注意を払います。中等度と深いピーリングでは、色の変化と傷跡のリスクがより高くなります。
施術の後にできたしみは消えますか?
炎症後色素沈着は、多くの場合、時間とともに薄くなります。ただし、期間は人によって異なり、濃い色の肌ではより長くなることがあります。色素脱失は、改善がより遅いことがあります。どちらの場合も、紫外線対策と医師による経過観察が大切です。
肌の色が濃い人には、どの日焼け止めが適していますか?
広域スペクトルの日焼け止めが基本の対策です。可視光も濃い色の肌で色素沈着の原因になりうるため、酸化鉄を含む色つきの日焼け止めは、しみができやすい人に役立つことがあります。あなたに合った製品は、担当医に尋ねてください。
出典
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- Chemical peels: FAQs — American Academy of Dermatology (AAD)
美容医療専門家委員会
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