うわさか科学か?

うわさ:「内出血ができたら、施術が下手だった証拠」――科学的にはどうなのか?

注射後の内出血は、施術が適切に行われた場合でもよくみられる予想される副作用で、多くは数日から2週間ほどで消えていきます。それだけで施術が下手だったことの証拠にはなりません。大切なのは、ありふれた内出血と、フィラーによる血管閉塞のような緊急事態とを見分けられることです。この記事では、内出血がなぜできるのか、何がリスクを高めるのか、どのような色の変化が内出血ではないのかを解説します。

短い答え:いいえ。フィラー、ボツリヌストキシン、メソセラピーなどの注射では、針やカニューレが皮膚の中の細い血管に当たることがあります。これは最も慎重な施術でも起こりうることで、そのため内出血は最もよくみられる副作用の一つです。ただし、紫色のものがすべて内出血というわけではありません。網目状に広がる紫がかった色、皮膚が白くなる、激しい痛みがある場合は、緊急の評価が必要です。

内出血はなぜできるのですか?

内出血とは、皮膚の下にあるごく細い血管からにじみ出た血液が組織にたまったものです。顔は血管の豊富な部位で、それらの血管がすべて外から見えるわけではありません。注射の際に針やカニューレがそのうちの一本に当たると、少量の血液が組織ににじみ出て、数時間のうちに内出血が現れることがあります。

このため、米国食品医薬品局(FDA)を含む多くの情報源が、内出血をフィラー施術でよくみられるリスクの一つに挙げています。専門家のコンセンサス文書も、注射後にみられる副作用の多くは、内出血を含め、軽く一時的なものであることを強調しています。

うわさのうち正しい部分

施術の技術は内出血のリスクに影響することがあります。注射の深さ、使用する針やカニューレ、刺入点の数、施術の速さなどの要因によって、内出血の起こりやすさは増えたり減ったりします。つまり技術は重要です。しかし、最も慎重な技術でも内出血のリスクはゼロにはなりません。

そのため、一つの内出血が施術の下手さの証拠になるわけではありません。毎回の施術で非常に広い範囲に内出血ができる場合や、内出血が予想よりもずっと長く続く場合は、その原因を医師と話し合うことができます。背景に出血しやすい体質や、使用している薬が関係していることもあります。

内出血のリスクを高めるものは何ですか?

  • 部位:唇や目の下のように、皮膚が薄く血管の豊富な部位では内出血がより多くみられます。
  • 個人の特徴:薄い皮膚、高い年齢、内出血しやすい体質はリスクを高めることがあります。
  • 薬:血液をサラサラにする薬(抗凝固薬など)やアセチルサリチル酸など、出血に影響する薬は内出血を増やすことがあります。処方されているこれらの薬を自己判断でやめないでください。その薬を処方した医師に相談してください。
  • サプリメント:高用量のビタミンE、イチョウ葉、ニンニクなど一部のサプリメントは出血を増やす可能性があると考えられています。施術の前に、使用しているサプリメントをすべて医師に伝えてください。
  • アルコールと激しい運動:施術の直前や直後の飲酒や激しい運動は、内出血や腫れを増やすことがあります。

内出血はどのくらい続き、色はどう変わりますか?

内出血は最初は赤みがかった、または紫がかった色をしていて、その後青みがかった色、さらに緑がかった色、黄色がかった色へと変わりながら薄くなっていきます。この色の変化は、体がたまった血液を片づけていく自然な過程の一部です。多くの内出血は数日から2週間ほどで自然に消えます。境界ははっきりしていて、時間とともに小さくなり、色も薄くなります。

詳しいケアのすすめについては「美容医療の施術後のアフターケア:一般原則と注意すべきサイン」を、内出血と腫れの経過については「内出血と腫れ」をご覧ください。医師がすすめる場合は、短時間で、皮膚に直接触れないようにして冷やすことが役立つことがあります。部位をマッサージしないでください。また、医師に相談せずに温めないでください。

内出血は、適切に行われた施術の後でも起こることがあります。大切なのは、内出血と血管閉塞のサインとを見分けられることです。迷ったときは医師に電話してください。

Dr. Hamza GemiciDr. Hamza Gemici
Doktorclub メディカルディレクター · 美容医療に携わる医師

内出血ではないのはどんなときですか?

このうわさの最も危険な点は、施術後のあらゆる紫色をありふれた内出血だと思い込んでしまうことです。特にフィラーの後では、製剤が血管を詰まらせることがまれながら重大な合併症として起こり、一見すると内出血に似ていることがあります。違いを知っておくことが大切です。

ありふれた内出血血管閉塞のサインの可能性があるもの
境界がはっきりした、丸い、または楕円形のあざ網目やレース模様のように広がる、まだらな紫から青みがかった色
軽い圧痛激しい、強くなっていく、または予想外の痛み
部位の温度は正常部位が白くなる、青白くなる、または冷たい
色は数日のうちに黄色から緑色に変わり、小さくなる色が数時間のうちに濃くなる。水ぶくれやかさぶたがみられることがある
見え方は正常かすみ目、視野が暗くなる、または物が二重に見える

内出血だと思い込まないでください:次の症状があれば、待たずに112(トルコの救急番号。日本では119)に電話するか、最寄りの救急外来に行ってください

  • 網目状に広がる紫がかった色、皮膚が白くなる、または冷たさを伴う激しい痛み
  • かすみ目、視力の喪失、または物が二重に見える
  • 話しにくさ、顔のゆがみ、腕や脚の力が入らない
  • 急速に大きくなる、張りのある痛みを伴う腫れ

これらの症状の詳細と、まず何をすべきかについては、「フィラー後、どんなときが緊急事態?血管閉塞とその他の警告サイン」を必ずお読みください。フィラーに関連するその他の問題については、「フィラーの合併症」が参考になるでしょう。

どのような内出血なら医師に電話すべきですか?

  • 内出血が数日たっても小さくならず、大きくなっている場合
  • 内出血の下に、だんだん硬くなる、または痛みのある腫れができている場合
  • 2週間を過ぎても色が薄くならない、または茶色のしみが残っている場合
  • 部位に熱感や分泌物がある、または発熱がある場合
  • 体のほかの場所にも、理由のわからない内出血に気づいた場合

内出血のリスクを減らすために何ができますか?

施術の前に、使用しているすべての薬とサプリメントを医師に伝え、大切な予定の直前に施術を計画せず、アフターケアの指示に従いましょう。一般的な予防策については「合併症のリスクを減らす」をご覧ください。内出血を完全に防ぐ方法はありません。また、一部の方法の効果については根拠が限られています。

まとめ

注射後の内出血は、適切に行われた施術でもよくみられ、通常は自然に消える副作用です。技術はリスクに影響しますが、一つの内出血が施術の下手さの証拠になるわけではありません。本当に大切なのは、ありふれた内出血と血管閉塞のような緊急事態とを見分けられること、そして迷ったときに医師に連絡することです。

医師に聞きたい質問

  1. この施術では、内出血はどのくらいの頻度で起こり、どのくらい続きますか?
  2. 私が使っている薬やサプリメントは、内出血のリスクを高めますか?
  3. 処方薬については、その薬を処方した医師に相談する必要がありますか?
  4. 内出血ができたら冷やしてもよいですか?どのように冷やせばよいですか?
  5. どのような色の変化があれば、すぐにあなたに電話すべきですか?
  6. 大切な予定の何日くらい前に施術を受けるのが適切ですか?
  7. 毎回の施術で内出血ができる場合、その原因を調べるべきですか?

よくある質問

フィラーの後に内出血ができるのは正常ですか?

はい。内出血はフィラー施術で最もよくみられる副作用の一つで、経験豊富な医師の施術でもみられることがあります。通常は数日から2週間ほどで自然に消えます。網目状に広がる色、皮膚が白くなる、激しい痛みがある場合は、ありふれた内出血ではありません。すぐに評価が必要です。

ボツリヌストキシン(「ボトックス」)の後にも内出血はできますか?

ボツリヌストキシン注射の後にも、針を刺した箇所に小さな内出血がみられることがあります。これらは通常小さく、自然に消えます。内出血以外に、まぶたが下がる、飲み込みにくいなどの症状がある場合は、別に評価を受ける必要があります。

内出血ができたのは、医師がミスをしたからですか?

それだけでは、いいえ。針が外から見えない細い血管に当たることがあり、これは最も慎重な施術でも起こりえます。毎回の施術で非常に広い範囲に内出血ができる場合は、医師と話し合うとよいでしょう。

内出血を早く治すにはどうすればよいですか?

医師がすすめる場合は、短時間で、皮膚に直接触れないようにして冷やすことができます。部位をマッサージしないでください。医師に相談せずに温めないでください。また、市販の薬やクリームを使う前には相談してください。内出血を完全に防いだり、すぐに消したりする方法はありません。

内出血をメイクで隠してもよいですか?

注射した箇所がふさがった後であれば、通常メイクは可能ですが、いつから始めてよいかは医師に確認してください。清潔な化粧品やブラシを使うことは、感染のリスクを減らす助けになります。

施術の前に痛み止めを飲まないほうがよいですか?

一部の痛み止めは出血に影響し、内出血のリスクを高めることがあります。どの痛み止めなら使えるかは、施術の前に医師に確認してください。心臓や血管の病気のために日常的に飲んでいる薬は、自己判断でやめないでください。

出典

  1. Minimizing bruising following fillers and other cosmetic injectables (Hamman MS, Goldman MP). J Clin Aesthet Dermatol 2013;6(8):16–18 — Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 2013
  2. Facial aesthetic injections in clinical practice: Pretreatment and posttreatment consensus recommendations to minimise adverse outcomes (Goodman GJ et al.). Australas J Dermatol 2020;61(3):217–225 — Australasian Journal of Dermatology, 2020
  3. Dermal Fillers (Soft Tissue Fillers) — U.S. Food and Drug Administration (FDA)
  4. Guideline for the Management of Hyaluronic Acid Filler-induced Vascular Occlusion (Murray G, Convery C, Walker L, Davies E). J Clin Aesthet Dermatol 2021;14(5):E61–E69 — Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 2021

美容医療専門家委員会

この記事のトルコ語原文は、Doktorclub美容医療専門家委員会の審査を受けています。本ページはその原文と照合して確認した翻訳であり、日本語を話す医師による審査はまだ受けていません。

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