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目の下へのフィラーの合併症:チンダル現象、長引く腫れ、フィラーが目立つ、視力へのリスク

目の下へのフィラーの後に最もよくみられる問題は、内出血、腫れ、触れたり見えたりする凹凸、青みがかった色の変化(チンダル現象)、そして数か月続くことがある頬の上の腫れです。ごくまれではありますが、フィラーが血管を詰まらせると、皮膚の傷や視力の喪失につながることがあります。見え方のどんな変化も緊急事態です。このページでは、目の下に特有のリスク、この施術が向いていない可能性がある人、そして問題が起きたときにできることを説明します。

目の下へのフィラーは、なぜ高い技術が求められる部位なのですか?

目の下、つまり涙袋の下のくぼみ(ティアトラフ)の部位は、フィラーの施術の中でも難しく、より注意が必要な部位とされています。それにはいくつかの理由があります。

  • 皮膚がとても薄いため、小さな凹凸、多すぎる製剤、浅い注入が簡単に目に見えてしまいます。
  • この部位のリンパや体液の流れは繊細です。フィラーが体液の吸収や流れに影響し、長引く腫れにつながることがあります。
  • 目の周りの血管は、目に血液を送る血管系とつながっています。そのため、血管閉塞はまれですが、目に影響することがあります。
  • 目の下の見た目は一つの原因によるものではありません。くぼみ、脂肪のふくらみ、皮膚のたるみ、色素の増加、むくみが重なっていることがあり、フィラーで改善できるのはその一部だけです。

そのため目の下へのフィラーは、この部位の解剖をよく知り、起こりうる合併症に対応できる体制を備えた、経験のある医師が行うべきです。目の下の黒ずみやくまの原因については、「目の下のくま:原因、医師を受診すべきとき、できること」をご覧ください。

目の下へのフィラーの後、腫れや内出血はどこまで正常ですか?

最初の数日は、注入した箇所の内出血、軽い腫れ、触れたときの圧痛がよくみられます。目の周りの皮膚は薄いため内出血が目立ちやすく、その色は時間とともに黄緑色に変わりながら薄くなっていきます。腫れは最初の数日に強くなり、その後引いていきます。仕上がりを評価するには、通常数週間待つ必要があります。この経過の詳細については、「内出血と腫れ」をご覧ください。

チンダル現象とは何ですか?目の下が青く見えるのはなぜですか?

チンダル現象とは、ヒアルロン酸フィラーが目の下の薄い皮膚のすぐ下、つまり浅すぎる位置に入ったために、光がジェルの中で散乱し、その部分が青みがかって、または灰色がかった青に見える状態です。目の下は、この問題が最も多くみられる部位です。ときに、フィラーの移動やたまりによって起こることもあります。

チンダル現象には、内出血と見分けるためのいくつかの特徴があります。色が黄色くなって薄れていくことがなく、何週間、ときには何か月も同じ色のまま残ることがあり、多くの場合その下に軽いふくらみが触れます。この状態は緊急ではありませんが、自然に消えるまでには長い時間がかかることがあります。医師は通常、その部位のヒアルロン酸をヒアルロニダーゼという酵素で溶かすことをすすめる場合があります。

突然始まり、痛みを伴い、網目状に広がる紫がかった、または青みがかった色は、チンダル現象ではありません。血管閉塞のサインである可能性があります。その場合は、下の緊急の警告をご覧ください。

目の下へのフィラーの後、腫れが引かないのはなぜですか?

目の下へのフィラーで最も対処が難しい問題の一つは、頬骨の上の部分や下まぶたに、何週間、あるいは何か月も続く腫れです。医学的には頬部浮腫(マラー浮腫)と呼ばれます。腫れは通常、朝に目立ち、日中は軽くなることがあります。塩分の多い食事、飲酒、睡眠不足、ホルモンの変化で強くなることがあります。

その原因は完全には解明されていません。ヒアルロン酸が水分を保持する性質、この部位の繊細な体液やリンパの流れ、注入した製剤の量と種類、そしてもともと腫れやすい傾向があることが、関わる可能性のある要因と考えられています。以前から朝に目の下がむくみやすい人では、このリスクが高い可能性があります。

ヒアルロン酸による腫れでは、医師がフィラーの溶解を検討することがあります。ただし、頬部浮腫はフィラーを溶かした後もしばらく続くことがあり、治療には根気が必要になる場合があります。この点についての科学的な知見は限られています。

フィラーが目立つ、しこりができる、入れすぎ

目の下でフィラーが帯状、ふくらみ、粒のように見える、触れるとわかる、または笑ったときに目立つといった問題は、よくみられます。これらは通常、製剤の量が多いこと、浅い注入、または時間とともにフィラーが移動することに関連しています。

入れすぎとは、その部分が周りに比べて腫れぼったく、袋のように見える状態です。意外に思えるかもしれませんが、目の下のくぼみを改善するためのフィラーも、多すぎると目の下をかえって疲れて見せたり、腫れぼったく見せたりすることがあります。また、目の下に注入したフィラーは、予想よりもずっと長くその部位にとどまることがあると報告されています。以前にフィラーを受けたことがある場合は、新たな評価のたびに必ず伝えてください。

文献の総説によると、目の下へのフィラーの後、遅れて起こる問題として最も多く報告されているのは腫れとしこり(結節)で、これらは数か月後、ときには数年後に現れることがあります。ヒアルロン酸以外のフィラーでは、しこりのリスクが高いと報告されています。フィラー全般の問題については「フィラーの合併症」をご覧ください。

目の下は、フィラーの施術において顔の中でも特にデリケートな部位の一つです。この施術に誰もが適しているわけではありません。正しい提案がフィラーではなく、別の方法について話し合うことである場合もあります。

Dr. Hamza GemiciDr. Hamza Gemici
Doktorclub メディカルディレクター · 美容医療に携わる医師

目の下へのフィラーは視力に影響しますか?どんなときが緊急ですか?

フィラーが血管の中に入ったり、血管を圧迫したりすることは、まれですが重大な合併症です。目の周りの血管は目に血液を送る血管系とつながっているため、ごくまれに、フィラーが目への血流を妨げ、突然の視力の喪失につながることがあります。皮膚が白くなる、紫がかった色、組織の損傷がみられることもあります。視力の喪失が起きた場合、時間はきわめて限られています。治療の選択肢は限られており、必ずしも成功するとは限りません。

何をすべきかは、「フィラー後、どんなときが緊急事態?血管閉塞とその他の警告サイン」でステップごとに説明しています。要点は、見え方に関わるどんな変化も緊急事態であり、医師に連絡を取ろうとして時間を失ってはいけないということです。

待たずに112に電話するか、最寄りの救急外来に行ってください

  • かすみ目、視野が暗くなる、または視力の喪失(片目だけであっても)
  • 物が二重に見える、まぶたが下がる、または目を動かしにくい
  • 目やその周りの突然の激しい痛み
  • 話しにくさ、顔のゆがみ、腕や脚の力が入らない
  • 息苦しさ。顔、唇、舌が急速に腫れてくる

すぐに施術した医師に連絡してください(連絡がつかない場合は最寄りの救急外来へ)

  • 目の下、頬、鼻の側面の皮膚が白くなる、または網目状に広がる紫がかった色
  • 突然の、強い、またはだんだん強くなる痛み
  • 部位が冷たい、その後の数時間で色が濃くなる、水ぶくれができる、またはかさぶたになる
  • 発熱、急速に広がる赤み、熱感、または分泌物

目の下へのフィラーが向いていない可能性があるのはどんな人ですか?

目の下へのフィラーは、くぼみや影が主な問題で、皮膚の状態が比較的よい人でよりよい結果が得られます。次のような場合、フィラーでは見た目が改善しない、あるいはかえって悪化することがあります。

  • 目立つ目の下のふくらみ(脂肪):フィラーはふくらみの下のくぼみを埋めることはできますが、ふくらみそのものはなくなりません。結果として、より腫れぼったい見た目になることがあります。
  • 頬の上のふくらみやたるみ、またはもともとある目の下のむくみ:長引く腫れのリスクが高まることがあります。
  • 目立つ皮膚の余りやたるみ:フィラーはたるんだ皮膚を引き締めません。
  • 目の下の黒ずみの主な原因が色素の増加や透けて見える血管である場合:フィラーでは色の変化は改善しません。
  • 以前に注入され、まだ残っているフィラーがある場合:まず現在の状態を評価する必要があります。
  • 現実的でない期待:フィラーで目の下が若いころの目の下に戻るわけではありません。目的は影をやわらげることです。

目立つ脂肪のふくらみや皮膚のたるみがある人では、まぶたの手術(下眼瞼形成術)などの選択肢がより適している場合があります。この判断は、眼形成外科医、形成外科医、耳鼻咽喉科医など、まぶたの手術を扱う医師の診察によって行われるべきです。

正常か、医師に相談すべきか、緊急か?

この記事に関連するツールこれは普通のことですか?30秒チェック

施術後に気づいたことにチェックを入れてください。このチェックはこの記事の表をもとに作成したもので、診断を行うものではなく、医師の診察に代わるものでもありません。

次のいずれかに当てはまりますか?
では、次のいずれかに当てはまりますか?

正常と考えられるもの(様子をみる)

リストの症状には、どれもチェックが入っていません。記事では、次のものが想定される所見とされています:

  • 注入した箇所の、境界がはっきりしていて、時間とともに黄色くなって薄れる内出血
  • 最初の数日に強くなり、その後引いていく腫れ
  • 腫れが引くにつれて目立たなくなる軽い凹凸
  • 軽い圧痛

症状が強くなったり、新しいことが起きたりした場合は、医師に相談してください。

このチェックはこの記事の表だけに基づいており、すべての可能性を網羅するものではありません。体調が悪いと感じる場合は、結果を待たずに医師の診察を受けてください。

正常と考えられるもの(様子をみる)医師に相談する緊急
注入した箇所の、境界がはっきりしていて、時間とともに黄色くなって薄れる内出血何週間も変わらない青みがかった色(チンダル現象の可能性)見え方のあらゆる変化、物が二重に見える、目の痛み:112
最初の数日に強くなり、その後引いていく腫れ何週間も続き、朝に強くなる腫れ皮膚が白くなる、または網目状に広がる紫がかった色:すぐに医師または救急外来
腫れが引くにつれて目立たなくなる軽い凹凸見える、または触れるとわかる帯状のもの、ふくらみ、ふくらみすぎた見た目突然の、激しい、だんだん強くなる痛み:すぐに医師または救急外来
軽い圧痛数か月後に現れた腫れやしこり顔や舌が急速に腫れる、息苦しさ:112

治療の選択肢は何ですか?医師は何をしてくれますか?

医師はまず診察を行い、どの製剤をいつ、どのくらい注入したかを尋ねます。必要に応じて超音波などの画像検査が使われることがあります。問題の種類に応じて、次のような選択肢が検討されます。

  • 様子をみる:早い時期の内出血、腫れ、軽い凹凸の多くは自然に改善します。
  • フィラーの溶解:ヒアルロン酸フィラーで、チンダル現象、入れすぎ、目立つまたは移動したフィラー、血管閉塞がある場合、医師はヒアルロニダーゼという酵素を使うことがあります。
  • 薬による治療:感染や炎症反応が考えられる場合に、医師が適切と判断する治療です。
  • 手術の検討:フィラーを溶かした後、脂肪のふくらみや皮膚の余りが主な問題であれば、まぶたの手術が話し合われることがあります。
  • 紹介:見え方に関わるすべての場合は眼科へ。必要に応じて眼形成外科やそのほかの関連する専門分野へ紹介されます。

ヒアルロニダーゼも医薬品の一つで、まれにアレルギーを起こすことがあります。ハチに刺されたときのアレルギーがある場合は伝えてください。溶かした後に一時的な腫れが出ることがあり、ときに複数回の注射が必要になります。体内で溶けない、または非常に長くとどまるフィラーによる目の下の問題は、治療がより難しくなります。

自宅でできること、してはいけないこと

  • 医師から受けたアフターケアの指示に従いましょう。最初の数日は目の周りを押したり、目をこすったりしないでください。
  • 変化、特に朝と夕方の腫れを、日付とともに写真で記録しましょう。
  • 製剤の種類と施術日がわかるものを手元に置きましょう。
  • 最初の数時間はなるべく一人にならないようにし、見え方の変化に気づけるようにしましょう。

次のことはしないでください。

  • 医師がすすめない限り、目の下をマッサージしたり、ふくらみを押しつぶしたりしないでください。
  • 医師に相談せずに、温めたり氷で冷やしたりしないでください。
  • 自己判断でステロイドを含むクリーム、目薬、そのほかの処方薬を使わないでください。
  • 見え方に変化があるときに、治るだろうと待たないでください。痛み止めを飲んで症状が治まるのを期待しないでください。
  • 問題を直すために、別の場所で目の下に再びフィラーを受けないでください。

目の下へのフィラーの合併症はどうすれば防げますか?

リスクを減らすために、次のことを心がけましょう。

  • まず診察で、目の下の見た目の原因をはっきりさせましょう。フィラーはすべての目の下の悩みを解決するものではありません。
  • 施術は、目の周りの解剖をよく知り、この部位の経験がある医師に、許可を受けた医療機関で受けましょう。
  • 注入する製剤がヒアルロン酸かどうかを確認し、目の下には溶かすことのできる製剤が選ばれているかを相談しましょう。
  • 施術を受ける場所に、ヒアルロニダーゼと救急対応の設備があるかを確認しましょう。
  • 朝のむくみ、アレルギー、目の病気、以前に受けた目の下へのフィラーやまぶたの手術について伝えましょう。
  • 少ない量から始め、必要に応じて段階的に進めることを相談しましょう。

安全のための一般的なアドバイスについては、「合併症のリスクを減らす」をご覧ください。

医師に聞きたい質問

  1. 私の目の下の見た目の主な原因は何ですか?くぼみ、脂肪のふくらみ、それとも色素ですか?
  2. 私の場合、目の下へのフィラーは向いていますか?それとも見た目を悪くする可能性がありますか?
  3. 朝に目の下がむくみます。長引く腫れのリスクは高くなりますか?
  4. 注入する製剤はヒアルロン酸ですか?製剤の情報を書面でもらえますか?
  5. ここにはヒアルロニダーゼと救急対応の設備がありますか?
  6. 以前に受けた目の下へのフィラーが、まだ残っている可能性はありますか?
  7. 見え方に変化があった場合、どうすればよいですか?どのようにあなたに連絡できますか?
  8. フィラーの代わりに、まぶたの手術のほうが私に適している可能性はありますか?

よくある質問

目の下へのフィラーの後の青みは消えますか?

内出血による青みは、通常数日のうちに黄色くなって薄れていきます。何週間も変わらない青みがかった色はチンダル現象の可能性があり、自然に消えるまでには長い時間がかかることがあります。ヒアルロン酸フィラーでは、医師がヒアルロニダーゼで製剤を溶かすことをすすめる場合があります。

目の下へのフィラーの後、腫れはどのくらい続きますか?

施術による腫れは、通常最初の数日に強くなり、その後引いていきます。一方、頬の上に何週間から何か月も続き、朝に強くなる腫れが出る人もいます。そのような場合は施術した医師を受診してください。治療には根気が必要になることがあります。

目の下へのフィラーで視力を失うことはありますか?

ごくまれですが、フィラーが血管に入ることで視力を失った例が報告されています。そのため、施術中や施術後に見え方の変化、物が二重に見える、目の痛みがあれば、待たずに112(トルコの救急番号。日本では119)に電話してください。このリスクに対応できる体制のもとで施術を受けることが大切です。

目の下のふくらみ(脂肪)がある人もフィラーを受けられますか?

目立つ脂肪のふくらみがある人では、フィラーでふくらみはなくならず、見た目がより腫れぼったくなることがあります。そのような人には、まぶたの手術などの選択肢がより適している場合があります。判断は診察の後に行うべきです。

目の下へのフィラーは溶かせますか?

ヒアルロン酸フィラーは、医師がヒアルロニダーゼという酵素で溶かすことができます。溶かした後に一時的な腫れが出ることがあり、ときに複数回の注射が必要になります。ヒアルロン酸以外のフィラーは、この方法では溶かせません。

目の下へのフィラーが何年もたってから問題を起こすことはありますか?

まれに、目の下へのフィラーから数か月後や数年後に、腫れ、しこり、色の変化が報告されています。この部位ではフィラーが予想より長くとどまることがあることも知られています。新しい症状が出た場合は、以前にフィラーを受けたことを必ず医師に伝えてください。

目の下へのフィラーの後、マッサージをしたほうがよいですか?

医師が特にすすめた場合を除き、いいえ。目の下の皮膚は薄く、むやみなマッサージはフィラーの移動や腫れの悪化につながることがあります。凹凸に気づいたら、まず医師に相談してください。

出典

  1. Complications associated with infraorbital filler injection (Reddy S, Nguyen TA, Gharavi N). J Cosmet Laser Ther 22(6–8):226–229 — Journal of Cosmetic and Laser Therapy, 2020
  2. Complications of Periocular Dermal Fillers (Wang Y, Massry G, Holds JB). Facial Plast Surg Clin North Am 29(2):349–357 — Facial Plastic Surgery Clinics of North America, 2021
  3. Delayed Complications following Dermal Filler for Tear Trough Augmentation: A Systematic Review (Trinh LN, McGuigan KC, Gupta A). Facial Plast Surg 38(3):250–259 — Facial Plastic Surgery, 2022
  4. Infraorbital Hollow Rejuvenation: Considerations, Complications, and the Contributions of Midface Volumization (Woodward J et al.). Aesthet Surg J Open Forum 5:ojad016 — Aesthetic Surgery Journal Open Forum, 2023
  5. Update on Avoiding and Treating Blindness From Fillers: A Recent Review of the World Literature (Beleznay K et al.). Aesthet Surg J 39(6):662–674 — Aesthetic Surgery Journal, 2019
  6. Tear trough deformity: review of anatomy and treatment options (Stutman RL, Codner MA). Aesthet Surg J 32(4):426–440 — Aesthetic Surgery Journal, 2012

美容医療専門家委員会

この記事のトルコ語原文は、Doktorclub美容医療専門家委員会の審査を受けています。本ページはその原文と照合して確認した翻訳であり、日本語を話す医師による審査はまだ受けていません。

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