悩みから探す

顔と首のたるみ:原因、切らない治療の限界、手術の検討が必要なとき

顔と首のたるみは、年齢とともに皮膚、脂肪組織、靱帯、骨の構造がそろって変化した結果です。切らない方法は、軽いゆるみであれば穏やかな引き締めをもたらすことがありますが、はっきりしたたるみに対して手術と同じことはできません。この記事では、たるみの原因、手術以外の選択肢でどこまで対応できるのか、そしてどのような場合に手術の検討がより適切な一歩になるのかを説明します。

たるみはなぜ起こるのですか

顔のたるみは、皮膚がゆるむだけのものではありません。いくつかの層で起こる変化が重なった結果です。そのため、一つの層だけを対象にした方法で問題がすべて解決するとは期待できません。

  • 皮膚:コラーゲン線維とエラスチン線維が減り、皮膚は薄くなって弾力を失い、引っ張ったときに元に戻るのが遅くなります。
  • 脂肪組織:顔の脂肪のかたまり(脂肪パッド)の一部はボリュームを失い、一部は下のほうへ移動します。頬は平らになり、フェイスラインや口の横にふくらみがたまります。
  • 靱帯と筋肉:皮膚をその下の組織につなぎとめている靱帯がゆるみます。首の薄い筋肉の縁が、縦の筋(バンド)として目立つようになることがあります。
  • 骨:顔の骨も年齢とともにある程度ボリュームが減り、その上にある組織を支える力が弱くなります。

この過程を早める要因には、長年にわたる日光への曝露、喫煙、短期間での体重減少や繰り返す体重の増減、遺伝的な体質などがあります。紫外線を避け、たばこを吸わないことでたるみが止まるわけではありませんが、皮膚の傷みを遅らせる助けになります。

たるみの程度はなぜ重要なのですか

どの方法に何を期待できるかを最も大きく左右するのは、たるみの程度です。次の表はおおまかな枠組みであり、実際の評価は診察で行います。

程度典型的な見た目一般的な考え方
軽度フェイスラインが少しぼやける、頬が少し平らになる。皮膚を指でわずかに持ち上げると見た目が整う紫外線対策とスキンケア。希望があれば切らない方法を検討できる
中等度あごの縁のはっきりしたふくらみ、ほうれい線の深まり、首の軽いゆるみ切らない方法で得られる引き締めは限られることがある。期待について率直に話し合うべき
高度フェイスラインが失われる、首の余分な皮膚と筋(バンド)、頬がはっきり下がる切らない方法では多くの場合不十分。手術の検討がより現実的な一歩になる

クリームや自宅でのケアにできることは?

引き締め用として宣伝されているクリームやローションは、たるんだ組織を元の位置に持ち上げることはできません。たるみの原因がある深い層には届かないからです。見られる効果は主に保湿によるもので、使用をやめると消えます。レチノイドを含むクリームは皮膚の質をわずかに改善することがありますが、それは持ち上げる効果を意味するものではありません。顔のエクササイズ、マッサージ器具、テープがたるみに及ぼす効果についての根拠は限られています。

切らない選択肢とその限界

切らない方法には共通する特徴があります。回復期間が短いこと、効果が穏やかであること、結果に個人差があり、時間とともに薄れることです。これらの方法の恩恵を最も受けやすいのは、たるみが軽い人です。

方法作用の仕方期待できること限界とリスク
HIFU(焦点式超音波)皮膚の下の層に小さな熱の点をつくり、コラーゲンの生成を促す数か月かけて現れる穏やかな引き締め研究の多くは小規模で追跡期間が短い。施術に痛みを伴うことがある。まれにやけど、しびれ、神経への影響が報告されている
ラジオ波とラジオ波マイクロニードル皮膚とその下の組織を加熱し、コラーゲンの生成を促す段階的な、軽度から穏やかな引き締め。多くの場合、複数回の施術が必要はっきりしたたるみは改善しない。やけど、色素沈着、まれに脂肪組織の減少のリスクがある
糸リフト皮下に入れた、時間とともに吸収される糸で、組織を物理的に引き上げる施術直後からみられる引き締め引き上げ効果の持続性は限られる。ひきつれ、左右差、糸が触れる、感染が起こることがある
ヒアルロン酸フィラー失われたボリュームを補い、組織を支えるボリュームの減少が中心の顔で、疲れの取れたような印象組織を引き上げるものではない。たるみをフィラーで隠そうとすると、顔が重く、むくんで見えることがある。まれではあるが重大な血管閉塞のリスクがある
レーザーによる肌の再生治療皮膚の上層を管理された方法で新しくし、引き締める皮膚の引き締めと小じわの軽減回復期間がより長い。色素沈着と傷跡のリスクがある。深い組織のたるみは改善しない

HIFUに関する研究をまとめたシステマティックレビューは、この方法が顔と首に中等度の改善をもたらし、短期的には安全とみられる一方で、研究ごとに評価の基準が異なり、その多くで長期の追跡が行われていないと報告しています。詳しくは「HIFU(高密度焦点式超音波):切らない引き締めはどのくらい効果があるのか?」と「ラジオ波(高周波)による肌の引き締めとラジオ波マイクロニードル:何が期待できるか?」の記事をご覧ください。

糸リフトについてのシステマティックレビューは、検討した研究の多くで引き上げ効果の持続性が非常に限られていたこと、また良好な結果を報告した少数の研究はメーカーの支援を受けて行われたものであったことを指摘しています。そのため、糸リフトの有効性についての根拠は限られていると考えるべきです。この方法の詳細は「糸リフト(切らないフェイスリフト用の糸):どんな人に向いているか、効果の持続期間、リスクは?」の記事に、2つの方法の比較は「HIFUか糸リフトか? 軽いたるみに対する2つの切らない方法の比較」の記事にあります。

フィラーは、たるみではなく、ボリュームの減少に対する治療です。適切に選ばれたケースでは顔に支えを与えることがありますが、余分な組織をなくすものではありません。フィラーの施術方法とリスクについては「ヒアルロン酸フィラー:どんな治療か、どのように行うか、どんなリスクがあるか」の記事をご覧ください。

切らない方法は、軽いゆるみであれば穏やかな引き締めをもたらすことがありますが、はっきりしたたるみに対する手術の代わりにはなりません。期待について最初から率直に話し合うことは、どの方法を選ぶかと同じくらい大切です。

Dr. Hamza GemiciDr. Hamza Gemici
Doktorclub メディカルディレクター · 美容医療に携わる医師

どんなときに手術の検討が必要ですか

顔と首のリフト手術(フェイスリフト・ネックリフト)は、ゆるんだ組織の位置を整え直し、余分な皮膚を取り除きます。特に顔の下部と首のたるみでは、切らない方法では得られないはっきりした変化をもたらします。次のような場合は、新たな切らない施術を始める前に、手術について意見を聞くほうが現実的な道かもしれません。

  • フェイスラインがはっきり失われ、あごの縁に垂れ下がった組織がある場合
  • 首に余分な皮膚や、はっきりした縦の筋(バンド)がある場合
  • 上まぶたに、視界や目の開きに影響する余分な皮膚がある場合
  • 切らない方法を試したが、期待した変化が得られなかった場合
  • たるみを隠すために、必要なフィラーの量がだんだん増えていると考えられる場合
  • 大きく体重が減った後に、顔と首の皮膚が余ってきた場合

手術にも限界があります。手術は皮膚の質、しみ、小じわを変えるものではなく、老化は手術の後も続きます。出血、感染、神経の損傷による感覚や動きの障害、左右差、目立つ傷跡、傷跡の周りの脱毛などのリスクがあります。内出血は少なくとも2週間みられることがあり、回復には数週間かかり、最終的な見た目が落ち着くまでに数か月かかることを知っておく必要があります。結果について確実な約束はできません。期待した変化が得られない人もいます。

手術を受けるかどうかは、全身の健康状態、使用中の薬、喫煙、期待することを合わせて評価したうえで、手術を行う、該当する外科系の専門医と一緒に決めます。喫煙は傷の治りを妨げるため、この面談で必ず伝えてください。

正常な範囲か、受診が必要か、緊急か

状況考えられることすべきこと
何年もかけてゆっくり進む、左右で同じようなたるみ加齢によって予想される結果健康の面では受診の必要はない。気になる場合は、選択肢について医師に相談できる
視界に影響するまぶたの下がり、片方のまぶたに新たに起こった下がり余分な皮膚、またはまぶたを上げる構造に関する問題眼科医を受診してください
首やあごの下に新たに気づいた腫れやしこりたるみ以外の原因ためらわずに医師を受診してください
顔の片側が突然下がる、口角がゆがむ、話しにくい、腕に力が入らない脳卒中または顔面神経麻痺の可能性すぐに112(トルコの救急番号。日本では119)に電話してください

施術後に次の症状があるときは待たないでください

  • フィラー後の見え方の変化:すぐに112に電話してください
  • フィラー後の強くなっていく激しい痛み、皮膚が白くなる、網目状の紫色の変化:ためらわずに施術した医師に連絡し、連絡がつかない場合は救急外来を受診してください
  • エネルギー機器による施術後の水ぶくれを伴うやけど、治らないしびれ、顔の一部が動きにくい:その日のうちに医師を受診してください
  • 糸リフト後に強くなる赤み、熱感、分泌物、発熱、または糸が皮膚から出てくる:その日のうちに医師を受診してください

フィラーに関連する警告サインは、「フィラー後、どんなときが緊急事態?血管閉塞とその他の警告サイン」の記事で詳しく説明しています。

現実的な期待

  • 切らない方法では、フェイスリフト手術と同じ結果は得られません。これらの方法に期待できるのは、軽いゆるみに対する穏やかな引き締めです。
  • 効果は時間とともに薄れ、多くの方法では維持するために繰り返しが必要です。どのくらいの頻度で繰り返す必要があるかを、事前に話し合っておきましょう。
  • 同じ施術でも、どの顔にも同じ結果が出るわけではありません。はっきりした変化がみられない人もいます。
  • 切らない施術をいくつも重ねて受けても、はっきりしたたるみに対する手術の代わりにはなりません。
  • 何もしないことも、妥当な選択肢です。たるみは健康上の問題ではありません。

医師に聞きたい質問

  1. 私のたるみは軽度、中等度、高度のどれですか。中心にあるのは皮膚のゆるみですか、それともボリュームの減少ですか?
  2. 勧めていただいた切らない方法で、私の顔に現実的にどの程度の変化が期待できますか?
  3. その効果はどのくらい続き、維持するにはどのくらいの頻度で繰り返す必要がありますか?
  4. この方法の有効性についての根拠は、どの程度しっかりしていますか?
  5. 私の場合、手術について意見を聞くほうが適切でしょうか?
  6. この施術でよくみられるリスクと、まれではあるが重大なリスクは何ですか?
  7. 施術や手術の後の回復期間はどのくらいですか?いつ仕事に戻れますか?
  8. 問題が起きた場合、どのように、どの時間帯に連絡できますか?

よくある質問

切らない方法はフェイスリフト手術の代わりになりますか?

いいえ。切らない方法は、軽いゆるみであれば穏やかな引き締めをもたらすことがありますが、余分な皮膚を取り除くことも、ゆるんだ深い組織の位置を整え直すこともありません。はっきりしたたるみに対して、手術と同じ変化が得られるとは期待しないでください。

引き締めクリームでたるみは改善しますか?

クリームは、たるみの原因がある深い層には届きません。見られる効果は主に保湿によるもので、軽く、使用をやめると消えます。

フィラーでたるみは持ち上がりますか?

フィラーは失われたボリュームを補うもので、組織を引き上げるものではありません。ボリュームの減少が中心の顔では支えになることがありますが、たるみをフィラーで隠そうとすると、顔が重く、むくんで見えることがあります。

HIFUやラジオ波の効果はいつ現れますか?

これらの方法はコラーゲンの生成を促すことで作用するため、効果はすぐにではなく、通常は数か月かけて段階的に現れます。効果は穏やかで、個人差があります。

糸リフトはどのくらいもちますか?

研究をまとめたシステマティックレビューは、糸リフトの引き上げ効果の持続性が多くの研究で限られていたと報告しています。期間は、人、糸の種類、たるみの程度によって異なります。

たるみは何歳から始まりますか?

決まった年齢はありません。遺伝的な体質、日光への曝露、喫煙、体重の変化が、いつ、どのくらいの速さで進むかに影響します。

顔のエクササイズでたるみを防げますか?

顔のエクササイズがたるみを防ぐ、または改善するという根拠は限られています。

顔の片側が突然下がりました。これはたるみでしょうか?

いいえ。加齢によるたるみは、何年もかけて、左右で同じように進みます。顔の片側が突然下がるのは、特に話しにくさや腕の力が入らない症状を伴う場合、緊急の状態です。すぐに112(トルコの救急番号。日本では119)に電話してください。

出典

  1. Many ways to firm sagging skin — American Academy of Dermatology (AAD)
  2. Facelift (rhytidectomy) — NHS(英国), 2023
  3. Systematic review and meta-analysis of safety and efficacy of high-intensity focused ultrasound (HIFU) for face and neck rejuvenation (Ayatollahi A et al.). PMID: 32026164 — Lasers in Medical Science, 2020
  4. Thread-Lift Sutures: Still in the Lift? A Systematic Review of the Literature (Gülbitti HA et al.). PMID: 29481392 — Plastic and Reconstructive Surgery, 2018
  5. Dermal Fillers (Soft Tissue Fillers) — U.S. Food and Drug Administration (FDA), 2023

美容医療専門家委員会

この記事のトルコ語原文は、Doktorclub美容医療専門家委員会の審査を受けています。本ページはその原文と照合して確認した翻訳であり、日本語を話す医師による審査はまだ受けていません。

WhatsAppで共有

関連記事

この内容は情報提供のみを目的としており、診察や医学的評価に代わるものではありません。ご自身の状況については医師にご相談ください。

このセクションには広告、スポンサーコンテンツ、価格は一切含まれていません。 編集方針